コラム「木」の科学
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「木」の家が愛される理由

愛される理由はその〈強さ〉

「木の家なら火に強い!」といったら驚かれる方も多いでしょうが、さまざまな耐火実験などを通して、「木」は火にも強い建築素材として証明されています。 実際、火災が起こった現場を見てみると、鉄骨材が熱でグニャリと曲がっているのに対し、燃えしろで残った木材が建物の原型をとどめていたりします。建物の火災温度は約700°〜900°といわれていますが、木材は約250°に達するまで着火しません。そのうえ着火したとしても表面が燃えるだけで、芯まで燃え尽きてしまうということはそうそうありません。これは炭化した表面が断熱材の役目を果たすため、木材内部まで熱が伝わりにくくなるからです。

耐火実験   耐火実験の際、およそ750℃で鉄の残存強度が10%だったのに対し、
同じ条件下で木はなんと75%を示しました。
これは炭化した表面が断熱効果を発揮し、
木材自体の可燃性ガスの発生を防ぐためだといいます。

愛される理由はその〈やさしさ〉

よく自然に癒されるといいますが、自然素材である「木」も癒しをもたらすやさしい素材といえます。たとえば日本の住まいは靴を脱ぐのが当たり前ですが、素足にふれる「木」の床材は鉄やコンクリートに比べ、温もりのある心地よい肌触りです。これは無数の空気を抱え込んだ「木」がそれ自体で優れた断熱材となっているからです。そのため、「木」は肌から体温を奪いにくくなっています。また、空気を抱え込む表面の凹凸も、「木」が温かいと感じる理由のひとつ。その他、この凹凸が人に心地よい“1/fのゆらぎ”をもたらすともいわれています。 さらに、コンコンと余韻のある「木」独特の響きや爽やかな香りも、人にやさしさを感じさせる要因。癒される住まいづくりには、「木」のもたらすやさしさは欠かせません。

木の凹凸がもたらす“1/fのゆらぎ”は、リラックス効果を生むα波を促すといわれます。   空気を抱え込む木の熱伝導率は鉄の400分の1と大変低く、
「木が温かい」と感じるのはそのため。
また、木の凹凸がもたらす“1/fのゆらぎ”は、
リラックス効果を生むα波を促すといわれます。
最近の研究で、
スギの香りが眠りを促進するというデータが得られました。
その他にも、木造住宅が不思議と落ち着くのは、
木に20〜30kHzの超高音域の音成分があり、
それがα波を促すからだといわれています。
  スギの香りが眠りを促進する

愛される理由はその〈美しさ〉

室内を彩る「木」のインテリアに反射するやわらかな光。きらりと目を射る金属の反射に比べて、「木」の映し出す光がことさらやさしく、美しく感じるのはなぜでしょう?これは「木」の表面にあるミクロの凹凸が光をやわらかく分散するため。通常、室内で最適といわれる光の反射率は50〜60%ですが、この値は木材の反射率とほぼ一致しています。人が「木」のインテリアを目に心地よく感じるのは、このやわらかな光の演出が効いているからなのです。一方、見ための美しさだけでなく、「木」は室内の空気も清浄に保ってくれます。森林浴の効用として有名な“フィトンチッド(植物から放出される揮発性分)”は、製材後の建築木材にも含まれ、殺菌作用や消臭、害虫忌避などの効果を発揮します。

淡い光の反射でやすらぎを演出する木材 「木」が発する森林浴効果木の凹凸がもたらす“1/fのゆらぎ”は、リラックス効果を生むα波を促すといわれます。   淡い光の反射でやすらぎを演出する木材。
「木」が発する森林浴効果は、
清浄な空間をつくります。
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